「AI-Science Nexusセンター(AISNeC)」を設立

2026年4月10日 公開

2026年4月23日 更新

AI研究と人材育成を統合し、国内最大級の産官学共創AI拠点へ

東京科学大学(Science Tokyo)は、4月1日、「AI-Science Nexusセンター(AISNeC)」を設立しました。AISNeCは、学内の人工知能(AI)研究者を結集し、大規模言語モデル(LLM)の開発をはじめとするAI基盤研究(Science of AI、以下SofAI)と、AIを活用した学際的な科学応用(AI for Science、以下AI4S)を一体的に推進する拠点です。オープンラボラトリとして柔軟な共同研究体制を整備し、人材育成、産学連携、スタートアップ支援、国際連携までを一体的に展開することで、本学のAI分野における国際的プレゼンスの飛躍的向上を目指します。

センター概要

名称
AI-Science Nexusセンター(AI-Science Nexus Center / AISNeC)
設立日
2026年4月1日
設置部局
新産業創成研究院
主要体制
センター長:篠田浩一(情報理工学院 教授)
副センター長(SofAI担当):荒瀬由紀(情報理工学院 教授)
副センター長(AI4S担当):高地雄太(総合研究院 難治疾患研究所 教授)
主な研究分野
AI基礎理論、生成AI・言語モデル、AI基盤技術、人間社会AI、生命・医科学AI、材料・化学AI、
エネルギー・環境AI、AIシステム・高性能計算、数理・基礎物理AI

AISNeCは、新産業創成研究院に設置され、「次世代半導体エコシステム共創センター」と連携し、融合研究の成果を社会実装へとつなぐ役割を担います。

背景

生成AI技術は近年急速に進展しており、その研究開発には、理論・アルゴリズム・計算機アーキテクチャーにまたがる高度な連携が不可欠です。米国や中国では、大規模な研究体制のもとで開発が進められている一方、日本の大学では研究が研究室単位に分散し、十分な連携体制が構築されていないのが現状です。その結果、国際会議における日本の存在感は相対的に低下しており、政府は近年、AIを国家戦略技術と位置づけ、投資を拡充しています。生成AIの研究には「人材・データ・計算資源」が不可欠です。

Science Tokyoは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所との連携によるLLM「Swallow」の開発、高品質な医療データを含む多様な科学データの蓄積、GPUクラスタ「TSUBAME」に代表される計算基盤など、世界水準の研究ポテンシャルを有しています。しかし、これらの資源は学内で分散しており、十分に活用されているとは言えません。また、日本では若手AI研究者の待遇が国際水準に比べて低く、優秀な人材の流出が課題となっています。

センター設立の目的

AISNeCは、AIそのものを深化させる「Science of AI(SofAI)」と、AIを科学に応用する「AI for Science(AI4S)」を有機的に結びつけることで、研究開発の加速と新たな学際領域の創出を目指します。

1. Science of AI(SofAI):AI基盤研究の強化

大規模言語モデル「Swallow」の開発をさらに発展させるとともに、基礎科学に基づく次世代AIの研究開発を推進します。

2. AI for Science(AI4S):科学分野への応用展開

医療、創薬、材料、エネルギー、ロボット、数理など幅広い分野においてAI活用を推進します。特に東京科学大学病院の医療データを活用した医工連携を重点分野とします。

これらの研究は、GPUクラスタ「TSUBAME」を中核とする計算基盤のもとで実施されます。さらに、本学のAI研究者を結集し、大規模かつ組織的な研究体制を構築するとともに、包括的な産学連携を推進します。オープンラボラトリとして、研究者が柔軟にチームを編成し協働する環境を整備し、AI研究のハブ機能を担います。また、博士課程学生やポスドクなどの若手研究者への支援を強化し、優れた研究者のもとで自由かつ創造的に研究に取り組める環境を提供します。公的研究機関や企業とのクロスアポイントメント制度を活用し、研究と教育を一体化した人材育成拠点を形成します。さらに、学部教育におけるデータサイエンス・AI教育を統合し、社会人のリスキリングを含む高度AI教育を展開します。加えて、AI倫理、知的財産、著作権、データプライバシーに対応する体制を整備し、研究者が安心して研究に専念できる環境を構築します。

今後の展望

AISNeCは、研究推進、人材育成、産学連携、国際展開を一体的に推進し、学内資源を統合したAIエコシステムを構築します。AIを軸に科学のあり方を再定義し、新たな産業創出を目指します。

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更新履歴

  • 2026年4月23日 本文の編集を行いました。

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